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リモージュボックスの選び方

リモージュボックスの選びかたについてご紹介しましょう。

全体を眺めて

リモージュ磁器の特徴はその透き通るような切れのある白さにあります。 白磁の良し悪しは、この白い生地を見ていただくと良いでしょう。 全体を眺めて、型本来のへこみと違う場所に小さなへこみや盛り上がりを 見つけることがあります。

これは、稀に、泥漿を型に流し込んで取り出すときの跡が残ったものだったり、白磁に絵付けを施す時に、本来意図した膨らみやへこみの部分を絵付け師が気がつかなかったか、敢えて無視をしてしまった場合もあるようです。 これは古いモデルを復刻させるような時にも見られます。 プロデューサーと絵付け師の意思疎通の問題もあるかもしれませんね。 これは不具合であるとも言えますが、手作りのユニークな魅力と考える人もいます。

金具の状態

真鍮の金具は、多少のズレは仕方のないことですが、あまり上下がずれてしまっているものや、ヒンジが がたつく様なボックスは避けたほうが良いでしょう。 気になる場合は、簡単に調整することができることもありますので、催事の最中などにお持ちいただければ治ることもあります。

また、金具は、ヒンジの取り付けの際、バナーで一点一点溶接をおこないますので、ヒンジの部分に焼けた跡が残りますが、これはまさに職人手作りの証といえるものです。

ただ、全体的にボックスのサイズとアンバランスに厚ぼったく、黒ずんでいたり、するのも避けた方がよいでしょう。

リモージュボックスの真鍮は銅が75%以上と、亜鉛の合金でできていますが、黒く見える金属がつかわれているとすると昨今の銅価格の上昇から、逆に亜鉛の割合を多く使っているものです。

リモージュボックスの金具は、金属ではありますが、切れと柔らかみがあって、風情が感じられます。金具そのものの文様も色々あり、その選択は金具職人 (セルティサージと呼ばれます)のセンスとエスプリに任せられるのです。

もうひとつは、留め金のモチーフに注目してください。

数々の種類のボックスモチーフにふさわしい、留め金が選ばれています。

留め金ひとつとっても、金属造形の見事さを堪能できますが、留め金もリモージュボックスの全体モチーフをさらに引き立たせ、ボックスと一体となった魅力を醸し出しているのです。

発色

リモージュボックスは使う顔料の種類や塗りによって様々な色が現れてきますが、その色が輝くように現れるボックスに大きな魅力を感じるものです。

リモージュボックスは1980年台から90年台にかけて、アメリカからの大量注文とコストダウンの要求に応じるため、中にはぞんざいな絵付けになったり、同時にたくさん制作するため窯に大量のボックスを隙間なく入れて火のまわりが悪くくすんだような色使いになってしまったことがあります。 この傾向は改善されつつはありますが、まだ、中には経済的理由によってその傾向を残すところもあります。

輝くような発色のボックスは、そうした経済優先の工房からは決して生まれてくることはありません。 よい発色は白磁そのものはもちろん、顔料と温度、時間が最適に組み合わされて初めてあの美しい発色が実現するのです。

重量

リモージュボックスはもともと小さくて軽いもので、あまり重さの違いはわからないかもしれませんが、手に持ってみた時に、大きさの割に分厚くずっしりと重い感じのボックスもあります。

リモージュボックスは、作業型に撹拌した泥漿がうっすらと染み込んだ部分がそのまま造形の形状になるという大変繊細で薄い白磁がその魅力の一つになっています。 あまり重量感のあるものは、あるいは、別の方法で作られたものかもしれません。